2017年1月23日
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2017年01月23日絵画コンクール作品展@西表野生生物保護センター
西表石垣国立公園 西表 アクティブレンジャー 日名
「イリオモテヤマネコと希少野生動物を守ろう絵画コンクール」の作品展を1月31日まで西表野生生物保護センターの視聴覚室で行っています。
1月13日まで大原港ターミナルなかまりんでも作品展を行っていましたが、スペースの都合上コンクールの入選作品しか展示していませんでした。
しかし、野生生物保護センターの視聴覚室では、全ての応募作品を展示します。
合わせて、過去11年分の冬の交通事故防止キャンペーンのチラシ(ポスター)を展示しています。
2010年からはチラシの前面に絵画コンクールの優秀作品が用いられていますが、2009年以前のチラシ前面と全ての年のチラシ裏面は歴代職員がデザインしています。
絵画コンクールの応募作品同様、歴代チラシのデザインを見比べることもオススメします!
31日までと展示期間は少ないですが、ぜひ西表野生生物保護センターまで足をお運び下さい!
2017年01月23日ツルヒヨドリについて
やんばる 藤田雄
皆さん、はいさい(こんにちは)。
やんばる野生生物保護センターの藤田です。
本日は皆さんに沖縄県に定着している外来種、ツルヒヨドリについてお話しさせていただきます。
ツルヒヨドリ、という名前だけでは鳥の様にも思えますが、このツルヒヨドリは北アメリカと南アメリカの熱帯地域を原産とする、外来の植物です。ヒヨドリバナという日本在来の植物とよく似た花を付ける蔓性の植物であるため、この名前が付けられています。
沖縄県では1984年にうるま市の天願川河口付近で発見され、沖縄本島中部一帯で繁茂し、西表島にも侵入が確認され、急速に分布をひろげています。そのため、平成28年8月に特定外来生物として新規指定されました。
▲ツルヒヨドリ(遠景)
▲ツルヒヨドリ(近景)
このツルヒヨドリはやんばる地域にも侵入しており、大宜味村田嘉里の田嘉里川と、やんばる野生生物保護センターがある国頭村比地の比地川の川沿いで発生が確認されたため、地域住民のみなさんと一緒に防除活動に取組み始めました。
▲比地川沿いの、ツルヒヨドリが繁茂している場所。コンクリートからススキの生えている場所にかけてツルヒヨドリに覆われている。
また比地川では駆除の際に、山の一部にもツルヒヨドリの繁茂が確認されていたので、こちらでも防除を行いました。
▲ツルヒヨドリが枝の上に繁茂している林。画面中央付近、左上と右下の白っぽい花がツルヒヨドリのもの。
ツルヒヨドリはとても繁殖力が強く、放っておくと森一つを丸ごと覆ってしまう程にも増えてしまうおそれがあります。そうなれば、
在来の植物の生育だけでなく、生態系全般に悪影響が出る可能性があります。
また、農地に入れば農作物にも被害を及ぼすでしょう。
このため駆除が必要なのですが、その際にも注意が必要になります。というのも切り落としたツルから根が張って再生していってしまうためです。このため防除の時にツルが散らばったりするとかえって広げてしまうこともあり、駆除した後には散らばらない様に気をつけなくてはなりません。
ただ、ツルヒヨドリは特定外来生物にあたります。この特定外来生物は、飼育、栽培、保管や生きたままの運搬等が原則として禁止され、これらを行う場合は許可が必要になります。適切な方法で防除しないと、かえって広げてしまう可能性もあるため、駆除を検討される際はまずは、環境省へお問い合わせください。
もし、国頭村、大宜味村、東村の前述以外の地域でツルヒヨドリを見つけた場合は、やんばる野生生物保護センターにご連絡をお願いいたします。
それでは、やんばるより藤田でした。
2017年01月23日「上段の野トレッキング」活動支援
西海国立公園 佐世保 佐伯信吾
「上段の野トレッキング」活動支援
(1)日時:平成28年11月6日(日)
(2)場 所:平戸市小田町 上段の野(190m)
平戸大橋から車で1時間弱の場所。
上段の野の展望所。
展望所から志々伎湾及び佐世保方面を一望できます。
西側から北側にかけての斜面は、メカルガヤ、ススキ、チガヤが主の草原。東、南側は林
となっています。講師は、地元で漁業に従事しておられるパークボランティアの稲下氏に案内していただきました。
スタート、稲下氏は集合場所の説明を始めました。ここは、埋め立ててできた場所で昔は、
川の河口であったため、びっくりするような大きなハマグリやカガミガイ(ハマグリ程の大きさで白く丸く平たい貝)が多く獲れていたそうな。今では、ハマグリがよく食されているが、地元の人はカガミガイの方が味がよかったのでハマグリより食されていたこと、川では天然ウナギを捕って食べていたなど今聞くと羨ましい限りの話ばかり。内容は植物がメインでしたが、町の歴史や上段の野の草原が維持されて来た経緯等も話していただきました。やっぱり、地元のことは地元の人に説明してもらうことが一番だとあらためて思いました。
秋の味覚エビヅル、ムベ、ミカンを食したり秋ならではのトレッキングでした。稲下さん、ユーモアいっぱいの案内ありがとうございました。
2017年01月23日全国・自然歩道歩こう月間「佐志岳トレッキング」活動支援
西海国立公園 佐世保 佐伯信吾
全国・自然歩道歩こう月間「佐志岳トレッキング」活動支援
(1)日時:平成28年10月30日(日)
(2)場 所:長崎県平戸市津吉町 佐志岳(347m)
平戸大橋から車で1時間弱の場所に佐志岳はあります。
山頂からは360度の展望がきくため、低い山ですが満足感のある山です。平戸特有の植物を観賞するため市外、県外からの登山客があります。
この日の朝は、放射冷却で冷え込んだもののトレッキングにはふさわしい日和りとなりました。集合場所は、麓の南部公民館駐車場。ここから登山口の駐車スペースが狭いのでスタッフの車に便乗して出発。登山口は民家の脇にあり、軽自動車がやっと通れるぐらいの道幅です。
今回の講師は、パークボランティア(PV)の副会長邑上氏にお願いしました。
山頂までの登山道が草に埋もれて危険と云うことで、この日のために前もって邑上氏達が除草をされていました。(安全確保ありがとうございました。)案内も、面白く、楽しくそして飽きない解説です。
低い山ですが、登山道はかなりの勾配があるので休憩をとりながらのゆっくりした歩きです。佐志岳の山頂が見える場所まで来るとサインを見ながら佐志岳の特徴を説明後、中腹あたりの岩場まで歩くと休憩も含めて参加者を座らせ岩場にあるチョウセンノギク、ダンギク、イトラッキョウ、イブキジャコウソウ、サワヒヨドリの説明。ジャコウソウの説明では、五感で覚えると云うことでこの植物の匂いも嗅いだり触ったりしながら説明でした。
山頂に着いた頃には予定通りのお昼時。邑上氏昼食の定番のアゴ(トビウオ)の干し物や手作りの一品をお裾分けして頂き美味しい昼ご飯になりました。
昼食後、霞も殆ど無く島々もはっきり見える中、山や島の名前、特徴について説明していただいた後無事下山しました。案内ありがとうございました。
みなさんこんにちは~!阿蘇自然環境事務所の山口です!
今回は阿蘇の草原が、人々の暮らしにどのように利用されているのか、
集草作業に参加してきましたので、みなさんにご紹介したいとおもいます。
(▲刈った草を大鎌で集めて運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami 2016.12.6)
阿蘇の草原は昔から牛馬の放牧地として利用されたり、堆肥として農業に利用されていました。
また、茅葺き屋根の材料になるなど、草原と人の暮らしのつながりのなかで草原を維持するために危険を伴う野焼きを行ってきました。
現在は化学肥料の普及に伴い、野草堆肥の利用が減るとともに、茅葺き屋根の家もなくなるなど、
農業形態や生活様式の変化とともに草原の草の利用されなくなってきています。
農業も畜産業も後継者不足や高齢化、また兼業化により、採草や放牧が行われることなく、
野焼きや輪地切りといった草原維持の作業もされないまま放置される草原が増えてきています。
さらに、阿蘇は年間2500mmの以上も雨が降るので、草原をそのまま放置していると数年で藪(やぶ)となり、植生が推移してその後森林へと移り変わっていきます。
このような状況から、草原面積の減少・草原の変容が進んでいます。
今回は阿蘇草原シール生産者の会員の方が、土づくりの堆肥として利用している牧野へ行ってきました。
前の週に草刈りに参加し、数日そのまま天日干しさせて、この日に集草作業を迎えました。
束にして平地まで運び、マウントカッターという肥料切断機で草束を細かくしていきます。
(▲ダイナミックな集草風景&集めた草を運ぶ様子 photo by Yuki Iwanami)
(▲マウントカッターで野草を裁断しトラックに積む&カットして堆肥になる草)
そしてこの日集草作業の撮影のため参加していたフォトグラファーの岩波友紀さんが見つけたのは、
小さくてつぶらな瞳がとってもかわいい『カヤネズミ』!!!
(▲草原で暮らすカヤネズミ photo by Yuki Iwanami)
かや(茅)という名前の通り、阿蘇の草原等に生息している日本で一番小さなネズミです。
カヤネズミの体長は6、7cm 体重は500円玉くらいの重さ(5~7g)です。
このような稀少な生き物が暮らす草原も、採草や野焼きなど、人の手で守られています。
植物も生き物も多様な草原をみんなで力を合わせて後世へつなげていきたいですね。
※野生の生き物は、鳥獣保護管理法により、捕まえたり家に持ち帰ったりすることは禁止されています。
たいせつに見守っていきましょう。