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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2016年6月29日

2件の記事があります。

2016年06月29日九州特産物リレー6月 ~雨による賜り物・チョウザメをピックアップ!~【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 アクティブレンジャー 橋之口

梅雨の時期ですね。

えびの高原は年間平均4400㎜もの雨が降り、その量は東京の約3倍で、屋久島などと並ぶ日本有数の多雨地域です。ちなみに平成5年には年間洪水量8670㎜という、アメダス設置地点では最多となる記録があります。

 

※その雨水は川となって地表を流れたり、霧島山に多くある火口湖にたまったりもしますが、大部分は山の地面にしみ込んで地下水になります。地下水は火山の内部を通って崖や谷間などから湧き水として出てきます。(※霧島ジオパーク公式ガイドブックより)

 

霧島山山麓の湧き水スポットの一つである小林市にある出の山公園の湧水は名水百選に選ばれています。

▲小林市出の山公園

 

小林市では豊富な湧き水を活用して、めずらしいいきものが養殖されています。

それがこちらチョウザメです。今回の特産物リレーはチョウザメについて紹介します。

▲水槽の中を泳ぐチョウザメ(出の山淡水魚展示館)

 

チョウザメという名前からサメの仲間かと思われがちですが、生きた化石シーラカンスと同じ古代魚の残存種といわれています。

体表にあるかたい鱗(うろこ)が蝶のかたちに似ており、全体的な形がサメに似ていることから蝶鮫(チョウザメ)と名付けられたそうです。

チョウザメの卵は、世界三大珍味のひとつであるキャビアとして有名ですが、海外ではチョウザメの魚肉が高級食材として扱われているようです。

 

小林市内の飲食店では、チョウザメの魚肉のお刺身やお寿司、コラーゲン鍋、軟骨唐揚げなどのメニューを提供しているお店があります。また、チョウザメ炙り弁当を販売しているお店もありますよ。クセがなく食べやすくて美味しいです♪

▲チョウザメ炙り弁当

 

飲んでおいしい湧き水、そしてその水が田畑を潤し美味しい作物ができ、焼酎などの加工品も生み出されています。霧島山へ降り注ぐ雨が様々な恵みとなり、わたしたちの生活に密着しているのですね。

▲小林市から見た霧島山

 

次は屋久島の菊地さんにバトンタ~ッチ(^^)

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2016年06月29日Let's外来種駆除!オオハンゴンソウの駆除活動

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう 兒島音衣

こんにちは!梅雨に入り毎日雨続きですね。

そんな中、梅雨の晴れ間となった6月19日(日)に、くじゅう地区パークボランティアの会が主催する外来種駆除活動があり、くじゅうのパークボランティアをはじめとするボランティアの方々と一緒に、タデ原湿原横の湿地に生育している【オオハンゴンソウ】という特定外来生物の駆除活動を行いました。

このオオハンゴンソウ、鑑賞用や緑化のために導入されたのですが、繁殖力と生命力がとても強く生態系に悪影響を与えるため、栽培、飼育、保管、運搬、販売が原則禁止されている「特定外来生物」に指定されています。もともとは北アメリカ原産の多年生草本(キク科)で、畑、道ばたや水路沿い、河川敷など湿った場所を好み、一度定着してしまうと根絶がとても難しいです。

タデ原の上流部にオオハンゴンソウの大群落があり、水の流れによって種がタデ原湿原内部にも広がってしまうかもしれない、という心配があるため、毎年駆除活動が行われています。

オオハンゴンソウの生命力は非常に強く、2.4gの根の破片から再生します。

本来ならば根っこから引き抜いてしまうのが一番良いのですが、今回作業に当たった場所はものすごい数のオオハンゴンソウが生育していたため、根の引き抜きではなく花芽(花になる部分)の摘み取りを行いました。

花芽を摘み取ることで種ができるのを防げるので、分布拡大を防ぎます。また次に実施する予定の草刈りで、刈られた個体に種がつく心配がなくなります。











(左)オオハンゴンソウの花芽  (右)もくもくと作業が進みます

みなさん何度も外来種駆除活動に携わっていることもあり、手慣れた様子で次々に摘み取っていきました!

休憩してからは一列に並んで一気に攻めていきました!! いざ進め!オオハンゴンソウバスターズ!

なんとこの日は2時間ちょっとの作業で、ゴミ袋51袋分のオオハンゴンソウを摘み取りました。

1袋に600~700本入っていたので、3万本以上ものオオハンゴンソウを摘み取ったことになります。

このように軽トラいっぱいになりました。一作業終えてみなさん良い笑顔♪

まだ余力があるということで、別の場所に移動し、【オオキンケイギク】という特定外来生物の駆除もおこないました。

オオキンケイギクもオオハンゴンソウ同様に繁殖力が強く、大群落を形成して在来種を駆逐します。

今回は範囲が狭かったため、オオキンケイギクは根っこから引き抜きました。











梅雨が明けると、ヒゴタイを始めとするたくさんの夏の花が見られるようになります。

外来種はその旺盛な生命力と繁殖力でどんどん増えていきますが、在来種や特にその地域特有の種はそうはいきません。今ある景色をこの先ずっと守っていくためにも、外来種駆除活動のような地道な活動がとても大切になります。

今回作業に参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました!

一人でやるには大変なことでも、大人数でやると早いし楽しいと思います。これからもたくさんのみなさんのご協力をお願いします!

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