2015年6月26日
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2015年06月26日梅雨には、青や紫がお似合い♪【阿蘇地域】
阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田上
九州が梅雨入りし、そろそろ1ヶ月が経とうとしています。連日の雨や曇予報で、最近阿蘇の涅槃像(阿蘇五岳)がキレイに見えず、少し寂しい気分です。
晴れの日の阿蘇の涅槃像(カルデラの真ん中にお釈迦様が横たわる)
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梅雨時期の花といえば、アジサイが浮かぶかと思います。赤やピンク、白、青、紫・・・と、別名「七変化」といわれるように色とりどりに道路脇や民家の庭に咲いていて、雨の中でもパッと目を引きます。七変化の中でも、個人的には濃い青がステキだなぁと感じています。
この時期に見られる阿蘇の野の花も、青や紫系の色の植物があるので紹介します♪
淡い青色がとてもきれい。大きく花びらのように目立つ花は見せかけの花(装飾花)、装飾花に囲まれるように小さく集まっている一つ一つが本当の花なのです。
咲き始めは白や淡い青ですが、終わり頃には淡紅に変化する株も見られます。
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地面から高さ10cmほど、濃い紫でちょっと変わった花の形をしています、多いところでは絨毯のようになっていたり。
「ウツボ」・・海のいきものかと思いきや、弓矢を入れる道具「靫(うつぼ)」に花序の部分が似ているとのことです。
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白地に赤紫の斑点・・形も特徴的で、ちょっと風変わりな植物。
写真奥の丸っこいものがつぼみ。形がロケットみたいで、今にも発射しそう!
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梅雨の真っ只中に、淡い紫色のとても可憐な花を咲かせます。
日本では、阿蘇地域の限られた場所にのみ生育するとされ、とっても希少で、保護区を設置し管理や調査など保護事業を進めています。
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黄色や白、赤色の花もありますが、不思議と青や紫系の花と雨のしずくが似合うように思えます。
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これらの植物は南阿蘇ビジターセンターにある「野草園」(高森町)でも出会うことができます。園路も整備されていて、梅雨空の下でも植物観察をたっぷりと楽しむことができるので、足をお運び下さい♪
草原の緑も雨を受けて一層濃くなっていますよ!
みなさん、こんにちは!
屋久島自然保護官事務所の水川です。
梅雨のまっただ中で、屋久島は毎日雨、雨、雨(@∪@;)!!
しとしと降ったりやんだりを繰り返すというよりは、どんだけ降るんだ!というくらい本降りの雨が続く...。
これが屋久島ならでは??なのでしょうか。
数日前、1日だけ晴れ間をのぞかせた屋久島では、いよいよセミの鳴き声が聞こえてきました!
夏はすぐそこ(≧▽≦)♪
ということで、いきものリレー第三弾は「ヤクシマエゾゼミ」です。
【和名】ヤクシマエゾゼミ
【学名】Lyristes esakii
【分類】カメムシ目セミ科クマゼミ族エゾゼミ属
【分布】屋久島
【形態】屋久島固有の小型種。胸背の斑紋や色彩はエゾゼミによく似る。
体長32-36mm;全長48-54mm;前翅の開帳93-100mm。
6月下旬から8月上旬、屋久島の標高800m~1800m程度の山地で、ギーーーーーと長く低い連続音で鳴くセミがいたら、それはヤクシマエゾゼミかもしれません。
ヤクシマエゾゼミは標高の高い場所に生息していて、さらに、ヤクスギやモミといった大きな木の枝先の繁みや葉の上にとまるため、声はするものの、その姿を見ることはなかなかできません。
この写真は、巡視中だった私たちが、宮之浦岳山頂で偶然発見し撮影したものです。
実物はもちろん、生体写真すらあまり見られないので、奇跡の出会いに大興奮で撮影しました。
周りの登山者とは少し温度差があったような気がしますが...('▽')♪
エゾゼミの背中には鮮やかなオレンジの模様があります。
歌舞伎の「隈取り」のようだとも言われ、かっこよく、とても美しいセミなんですよ♪
ヤクシマエゾゼミは屋久島のみに分布しており、本土にはいません。
名前に「エゾ(蝦夷)」と付いているヤクシマエゾゼミが、どうして日本の南方に位置する屋久島だけに生息しているのか、不思議ではありませんか?
これは、大陸とつながっていた最終氷期の時代に分布を広げたヤクシマエゾゼミの祖先種が、高い山があり、冷温帯の気候が存在する屋久島で生き残り、独自の進化をとげたものだと考えられています。
▲最終氷期の陸域
屋久島では、顕著な標高差が生み出す様々な気候帯や、それに応じて分布する植生など、特異な自然環境に適応した固有種が多くみられます。
また、氷河期の終わりとともに島に取り残された生き物、黒潮の影響で島に定着した生き物など、屋久島は多くの生き物の分布の南限・北限になっています。
例えば...
【屋久島が分布の南限】
・スギ
・ニホンマムシ
・ニホンヒキガエル
・コウベモグラ
【屋久島が分布の北限】
・テッポウユリ
・ズアカアオバト
・ムラサキオカヤドカリ
みなさんも、生き物を見つけたとき、その分布や起源をたどってみてください。
長い長い地球の歴史や、私たちが暮らす地域の自然環境など、生き物を通じて新たな発見があるかもしれません。
次回のいきものリレーは、対馬の竹澤アクティブレンジャーがお届けします!
お楽しみに~☆