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アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2015年5月25日

4件の記事があります。

2015年05月25日ミヤマキリシマ開花情報【霧島地域】

霧島錦江湾国立公園 えびの アクティブレンジャー 橋之口

こんにちは。事務所があるえびの高原ではカッコウの鳴き声が響きわたり、時折一緒に口ずさんでおります。

霧島地域では各地でミヤマキリシマが咲き、高原や山肌をピンク色に染めています。

多くの方が火山の活動が生んだこの景色を見て、「きれいか~」と声にして喜ばれている光景を目にしています(*^^)

私もその一員で、ミヤマキリシマと霧島の山々や火口湖の美しい光景に目と心を奪われました。

↑硫黄山より甑岳(5月22日撮影)

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↑硫黄山より不動池(5月22日撮影)

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↑つつじヶ丘(5月25日撮影)

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↑高千穂河原より御鉢(5月25日撮影)

 ※写真ではわかりにくいのですが、御鉢の斜面がミヤマキリシマでピンク色に染まっています!

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現在、えびの高原周辺、硫黄山周辺、御鉢、高千穂峰は見頃を迎えています。

韓国岳は6月上旬~6月中旬頃に見頃を迎えそうです。

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かつて、坂本龍馬が最愛の妻お龍と旅行で霧島地域を訪れ、高千穂峰に登り、

「此所ニきり島ツヽシ ヲヒタヽシクアル」(ここにきりしまつつじ おびただしくある)

と姉の乙女に手紙を送っています。

きっと一面化粧をしたように咲き誇るミヤマキリシマに感動したのではないでしょうか!

ちなみに、その旅行は日本で最初の新婚旅行と言われています。

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御鉢や高千穂峰では高千穂河原から1時間~1時間半程度登ったところに、ミヤマキリシマが群生する景色が見られます。

自然のすばらしい景色を目の前にしたら、登山の疲れも吹き飛びますね。

龍馬が乙女に伝えた景色を、皆さんも見てみませんか(^^)?

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2015年05月25日楽しく学ぼう!サンゴ学習【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 神保彩葉

みなさんこんにちは。

沖縄地方はついに梅雨に入ったようです。恵みの雨、たくさん降ってほしいですね。

さて、5月20日に西表島にある上原小学校の子どもたちがサンゴを学びにやってきました!約一時間の授業ということで、前半はクイズを交えたスライドで「サンゴとは何か」を学び、後半は「サンゴの役割」についてグループで話し合いました。

クイズでは思わぬ難題に、悩みに悩んで答えを決めるのに時間をかけている子も。「サンゴは何の仲間なの?」「サンゴ礁ってなんだろう?」答えられそうでも知っていないとなかなか答えられないですよね。

そしてサンゴの骨格を見ながら、ポリプのお勉強!

ポリプはどこにあったのかな?

▲ ポリプはどこにあったのかな?

後半は4つのイラストをみて、それぞれなにをしているところなのかを書き出し、そこからサンゴの役割を考えて、発表してもらいました。自分たちで自由に考えてみることで、また違った視点からみることもできたのではないでしょうか。

使用したイラスト

▲ 使用したイラスト

話し合いの様子

▲ 話し合いの様子

最後にセンター内の見学...。

ところでみなさん、実は歩き回るサンゴもいるって知っていますか?
こちらのクサビライシの仲間は、ゆっくりですが歩き回ることができるのです。
別名:アクロバットサンゴとも呼ばれています。

どうしてもサンゴは動かないイメージがあり、なかなか動物と認識されにくいのですが、授業内でこの話もしたので印象に残ったのか、サンゴの骨格標本を見て「これ、歩くやつだよね!」と覚えてくれたようです。

クサビライシの仲間

▲クサビライシの仲間

熱心な子どもたちの姿勢から、私たち自身も新たな発見や学ぶことがありました。豊かな自然を次世代につなげていくためにも、子どもたちの好奇心や疑問を大切にしていきたいですね。

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2015年05月25日九州いきものリレー ② ~生態系を支えるいきもの~

阿蘇くじゅう国立公園 アクティブレンジャー 田中

みなさまこんにちは。くじゅうの田中です。

第二回目のいきものリレーで紹介するいきものは、こちら。

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和名: トノサマガエル

分類: 両生綱 無尾目 アカガエル科

分布: 本州(関東地方から仙台平野、信濃川流域を除く)、四国、九州と一部の周辺島

嶼(平戸,種子島など)、朝鮮半島、大陸中国。

形態: 体長雄55~80mm,雌60~90mと、日本のカエルの中では大型。(ヒキガエルと外来種のウシガエルを除くと日本最大)

背中に1本の縦すじがあり、緑色が雄、白・黄色が雌。

生態: 水辺で生活し、活動時期には水田や水路、ため池などで見られる。繁殖期は4~7月で、この時期になると雄が集まり「グルル...」という声で鳴く。肉食性で昆虫やクモ、ミミズ等、他のカエルをよく捕食し、小型のヘビを捕食することもある。

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「トノサマガエル」の名前の由来は、大きくて悠然としているので、殿様に例えたというのが有力説だそうです。

特徴はなんと言っても背中の一本すじ。これはオタマジャクシの時から見られる特徴でもあります。

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また、日本では古くからなじみの深い種で、あの『鳥獣人物戯画』に描かれているカエルも、トノサマガエルだと言われています。確かに背中に一本すじがありますね。

近年では全国的な圃場整備事業、開発等によって生息に適した水田環境が減少し、個体数が減少しています。そのため、近年トノサマガエルはIUCN、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種、大分県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。

カエルは、自然界の食物連鎖の中で、昆虫などを食べる「捕食者」だけでなく、トビ、鳥類、小動物の餌としての「被食者」の役割も果たしており、生態系を支える「キーストーン種」であります。トノサマガエルは大型なカエルだけに、数が減ると生態系への影響も大きいということになりますね。

こういった普段はあまり意識しない生態系を支えている小さないのち、意識的に見てみるととても素敵で大切で、守っていかなければならないいきものだと私は思います。

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2015年05月25日くじゅうのミヤマキリシマ開花情報

阿蘇くじゅう国立公園 くじゅう アクティブレンジャー 田中

皆様こんにちは。

くじゅうでは穏やかな陽気の中、麓ではポツポツとミヤマキリシマが咲いてきました。

ここで、くじゅう山間部のミヤマキリシマの開花状況をお知らせいたします。

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○ 扇ヶ鼻

日にち:5月17日

開花状況:つぼみ(※)

○ 段原~大船山

日にち:5月20日

開花状況:つぼみ

○ 段原~北大船山

日にち:5月20日

開花状況:咲き始め(1分咲き)

○ 大戸越し~平治岳中腹

日にち:5月20日

開花状況:つぼみ(※)

○ 平治岳山頂部

日にち:5月20日

開花状況:咲き始め(1分咲き)

○ 沓掛山

日にち:5月23日

開花状況:場所によって開花中(1分咲き)

(※)虫害によって被害が大きい箇所

扇ヶ鼻、大戸越し~平治岳中腹の2箇所については虫害で株全体が茶色く変色しています。

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くじゅうのミヤマキリシマは毎年虫害問題に悩まされている現状です。食害する種類としては「キシタエダシャク」、「クジュウフユシャク」というシャクガの幼虫です。食草は主にアセビやツツジ。年によって大量発生することがあり、ミヤマキリシマの葉を食べ尽くし開花に大打撃を与えます。つまるところミヤマキリシマの開花状況はこの虫たちの発生数次第で大きく変化すると考えて良いと思います。

 

 

 

客観的に見て、今年は去年よりもこの虫たちの発生数が多いように思えます。あっちの株を見てもシャクガ。こっちの株を見てもシャクガ。登山等を歩けばズボンにシャクガ。

これだけ多いとシャクに触りますね。

満開時期は例年通り6月の10日前後と思います。

ミヤマキリシマが虫害に負けずに咲き誇るように願っています。

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