ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [九州地区]

九州地区のアクティブ・レンジャーが、日々の活動や地域の魅力を発信します。

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2013年6月25日

3件の記事があります。

2013年06月25日舟浮で保護されたイリオモテヤマネコについて(発見~保護)

西表石垣国立公園 西表 西表管理者

はじめまして。
この4月から西表アクティブレンジャーになりました日名耕司と申します。
よろしくお願い致します。


少し前の話ですが、2013年4月11日 西表島の舟浮集落で、ヤマネコが保護されました。


集落内のハマユウの茂みに逃げ込み、出てこられないところを、地元の方が目撃され、野生生物保護センターにお知らせ下さいました。


心配そうに見守る人たち

職員が現場に直行し、植え込み内で弱っているヤマネコを保護しました。


このヤマネコ、手で捕まえられるくらい弱っていました。見た目でもすぐにわかるくらい毛並みが悪く、痩せていました。重度の疥癬(カイセン)という皮膚疾患にかかっていました。


治療の様子と治療後のヤマネコ

その後、センターで飼育しながら、栄養補給と獣医さんの治療によって順調に回復していきました。
体重2.64kg(0日目)→ 3.54kg(33日目)


皮膚疾患の回復具合

この写真ではわかりにくいですが、日を追うごとに回復しています。
続く・・・


(日名耕司)

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2013年06月25日明石小学校子どもパークレンジャー第2回・第3回【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

 前回のAR日記では明石小学校での子どもパークレンジャー第1回を紹介しました。今回は明石小での活動第2回と第3回を紹介します。まずは第2回目の活動から。

 5月22日に行われた第2回目の学習では、学校を飛び出してシュノーケリング体験を行いました。前日まで天気予報は雨マークだったのに当日の天気は快晴、野外学習日和となりました。
 このシュノーケリング体験学習は私たちレンジャーが児童にレクチャーするわけではありません。石垣島北部にダイビングショップを持つ「八重山ダイビング協会北部支部」の皆さん、昨年度の活動もお手伝いいただいた「石垣島沿岸レジャー安全協議会」の皆さんが児童達に海の楽しさや沿岸で生活するいきものの面白さを伝えてくださいます。(その間私たちは安全対策と記録係として周囲に目を配っています。)
 スタッフとして参加してくださっている方の中には、明石小の児童の父兄もいます。お父さんがダイビングのインストラクターということは、その児童の生活と八重山の海が直接生活と結びついているということ。このシュノーケリング体験学習は、きれいな海を守ることの大切さを直に考えてもらう機会でもあります。
 さて、明石小でのこれまで2回の学習で、児童達は水や海、そこで生活するいきもの達のことを少しずつ知り、豊かな海を感じることができました。第3回は、そんな地元の海について調べる方法を学習します。




写真左上:泳ぎになれていない低学年には児童一人ひとりにスタッフがつくので安心です。
  右上:慣れてきたら少し深いところへ行ってみます。見られるいきものが少しずつ増えていきます。
  左下:高学年は潜水の練習も行いました。
  右下:最初は緊張していた児童たちも最後にはリラックスして楽しんでいました。
スタッフのお兄さん達とも仲良くなれたようです。
 第3回の学習は、水平透明度の調査体験です。
※※※
水平透明度調査とは、文字通り海中の水平方向の透明度を調べる方法です。水平方向に白色板を伸ばし、取り付けられた1m毎にマークが入っているロープを巻いていきます。少しずつ距離を縮め、白色板が見えた距離を「水平透明度」として記録します。昨年度から八重山の海に関心の高い住民が集い、島の各地で水平透明度調査を実施する「八重山イノーの水のきれいさ調査隊」を結成し、年数回の調査を実施しています。今回の学習は、調査隊のまとめ役であり、石垣島でエコツアーガイドをしている内藤さんにご協力いただきました。※※※

この調査の特徴は、水深が1m程の場所でも調査できるという親しみやすさです。前回の学習でシュノーケルの技術を身につけた高学年なら、決して難しい作業ではありません。
 調査場所は学校の敷地から歩いて5分で到着する海岸です。まずは児童達に白色板がどの程度の距離で見えるか予想してもらいました。最初の児童達の予想は15mほど。では、高学年の2人が実際に計ってみます。白色板から20m離れた位置から、砂を巻き上げないように慎重にロープを巻いていきます。15m…見えない。10m…まだ見えない。白色板が見えたのは、大きく予想を下回った4.5mでした。これには児童達もびっくりです。
 その後、石垣や小浜などこれまでの調査結果をまとめたポスターを用いて今回の明石の結果と石垣島周辺の結果を見比べてみました。透明度の高い場所では13m、低い場所では1mと場所によってばらつきがあります(詳しくは下のポスターへ)。違いを見比べながら、少しずつ疑問を見つけてくれた児童達。暑い中、本当にお疲れ様でした。



写真左上:内藤さんによる「きれいさ」のお話。児童達はしっかりと聞いています。
  右上:計測器具で身長を測ってみました!透明度を「○○君何人分?」で考えると予
想も楽しくなりますね。
  左下:高学年による計測です。20m先から白色板へゆっくり近づいていきます。
  右下:計測できなかった児童たちへの「見えない」から「見える」の体験。

 明石小の子どもパークレンジャーはこの3回で終了です。最後に行った水平透明度調査で児童達が持った疑問やこれまでの学習での関心事は明石小の総合学習「明石っ子探検隊」のテーマとなります。今後は児童達が調べ学習の時間となり、私たちは裏方でサポートです。まずは児童達がどのようなテーマを持つのか、気になるところです。今年度の子どもパークレンジャーは明石小学校のほか2校で実施しています。次回、また違った学校の取り組みを紹介したいと思います。

※「八重山イノーの水のきれいさ調査隊」は随時メンバーを募集中です。気軽にできる活動ですので、八重山にお住まいでご関心のある方はぜひ下記URL内の連絡先、または石垣自然保護官事務所春口(0980-82-4768)までご連絡ください。ホームページ内には学習で活用したポスターも掲載されています。
※当ホームページは現在仮設置中です。

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2013年06月25日今年もやってます!子どもパークレンジャー!【石垣地域】

西表石垣国立公園 石垣 アクティブレンジャー 春口

 平成14年度から続いている「子どもパークレンジャー」が今年も行われています。八重山の小学校を対象に、調査体験や自然ふれあい活動を通して地域の自然、そして自然との関わり方を学んでいく子どもパークレンジャー。今年度は一昨年度から継続している石垣市立八島小学校5年生、石垣市立明石小学校に加え、平成18年度、19年度にも活動を実施した石垣市立富野小中学校の小学生を対象として実施します。今回は明石小での活動を紹介します。

 明石小では今年度、全児童を対象に海をテーマにした体験活動を実施します。昨年度の子どもパークレンジャーでは、「サンゴ」をテーマに3回の学習を実施しました。今年度は明石小学校独自の総合学習カリキュラム「明石っ子探検隊」の一部として位置づけています。この活動は身近な海をフィールドにした体験学習を通し、児童一人ひとりが独自にテーマを決めて調べ学習を行うものです。子どもパークレンジャーでは、児童達が一年間かけて学習する「明石っ子探検隊」のテーマを決めるための動機付けとして3回の体験活動を実施します。

 第1回目は5月2日(木)に屋内で3つのアクティビティーを行いました。1つ目は人と水の一番身近な関係である体の水分について考える「アクアボディー」、2つ目の「魚をつくろう」は、様々な魚の特徴を組み合わせてタイトルの通りオリジナルの魚を作り出す活動です。



写真1.「魚をつくろう」では体の模様、体や口の形、繁殖方法といった魚の特徴を混ぜ合わせています。このグループはマグロの模様でナマズの体、コイの口、カダヤシの繁殖方法を参考にします。一体どんな生きものが生まれるのでしょうか。



写真左上:それぞれの魚の特徴を組み合わせたら、生息場所も考えます。
  左下:写真1のグループが生み出した魚、「ロイシズ」と名付けられました。
 右上下:この2種類の魚は縞模様や口の大きさは真逆ですが、どちらもカラフルです。
右下の魚は海藻に卵を産む様子も描かれています。

そして最後は「サンゴ島会議」。このアクティビティーではサンゴ礁に囲まれた無人島に、ホテルや桟橋、ゴミ処理場や発電所などを建設するリゾート開発を計画してもらいます。どこにどのような施設を建設すれば利用者が自然を楽しみ、同時に環境への影響が少なくなるのか、自然との上手な付き合い方を考えてもらいます。低学年には難しい「サンゴ島会議」でしたが、高学年が上手にリードして計画図を完成することができました。
特徴的だったのが、「サンゴ島会議」で飛行場を作るなど開発に積極的なグループでも「発電所は風力発電にする!」とエコな生活を考えてくれていたこと。風力発電所の建設は、分かれた3つのグループ全てに共通していました。「発電所の建設」は決められていましたが、どんな発電所にするのか指定されているわけではありません。自然エネルギーを用いることは、児童達が独自に考えてくれました。子どもパークレンジャー3年目の中高学年の児童たちの中には自然を大切にする心、自然とうまく付き合っていく考え方が身についているようです。今年度最初の学習で、これまでの学習の成果を見ることができたことはとても喜ばしいことでした。

 今年度第1回目の子どもパークレンジャーは良いかたちで終わらせることができました。次回の活動では、海に出てシュノーケリングと調査体験を行います。詳細は次回のAR日記でご紹介します。ぜひご覧ください。

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